説明書

　オレの部屋には布団乾燥機という、欠かせないの上に"超"が１００億万個付くくらい欠かせないヤツがいる。タイマーのツマミをひねるとぼふぁー！とノズルから温かい空気が出て、ナイロン製の袋にその空気を入れて更にその上に布団を被せる。すると曇りだろうが雨だろうが飴だろうが布団を乾燥機だ。
　スイッチを入れた直後は冷たい。冷たくされるとこっちも敬遠してしまいがちだが、根気良く待つとだんだん温もりが出てくる。完全に温かくなったのがOKのサイン。優しく抱いてあげよう。
　ただし、あんまり寒いからとペースを上げてしまうとアツ過ぎて「もういい加減……」みたいな微妙な雰囲気になってしまうので、離れて窓から星を眺めたり、設定をダニハンターから羽毛・羊毛に変えたりしてみよう。コイツの大事さを再確認できるのだ。もう一度見つめなおしてあげよう。
　袋にも注意だ。なぜか金属のボタンみたいなのが付いてて、それに触れるとアッチッチ。リアルに火傷してしまうので最低限の距離は保つように。
　抱いて寝てはいけない。などと注意が書かれているが、障害は大きい程燃えるというものだ。今の関係を続けていればきっと周囲も分かってくれる。