2005
うどんを見ると、必ず思い出すコトがある。あれは中学3年の調理実習の時だった。実習室で実行されたのは、全クラス(といっても2つしか無いが)を巻き込んでうどんやらケーキやらを作ろうという企画である。自分はうどん(のタレ?)係。とりあえず何を入れたか忘れたが、ずっと大きめのなべでどす茶色い物体をじっくりコトコト煮込んでいた。しばらく立ちっぱなしで煮込んでいた。その物体の不思議な有り様について深く考えながらも煮込んでいた。やがて安定期を向かえ、"どす茶色い"の頭に"ボコボコと泡のような"が付くようになった。そこから、またそこに至るまでの時間くらい煮込んだ。いろいろ実験もしてみた。ちょっと火を強くすると何を思ったか、その物体は尋常じゃない速さで膨らむのである。思わず焦って火を小さくする。学年全員の口とガスコンロの運命を支配した感覚に陶酔し、それにも飽き、陶酔をしていた頃が久しくなって、ようやく呼ばれた。
さてさてこの汚い色とナリをしたスープがどんな味になるのか。味の素をいれ、そこに程よい温度のお湯、そして気色悪い物体を入れる。すると、なんとアノ普通のうどんのスープの色、薄い茶色になっているではないか。これには感動した。そこに茹でた麺、そしてネギ、薬味をいれ、ついにご賞味。
う、ウマい!俺の努力は遂に結ばれたのである。T君もM君も絶賛していた。一杯食い終わり、まだ食べたかったが、後で食えなくなるぞ、と戒められ、そこで中断。ああ……ウマかった。俺はケーキとかより、うどんがさっさと食べたかった。そして、運ばれてきたのだ。
……なんだ、コレ。そこにあったのは、うどんと呼んでいいものか、と悩む前に食欲が減衰するモノが赤い茶碗に入っていた。まず目に入るのが、麺。失敗作として捨てられそうな麺が捨てられずに俺の茶碗に放り込まれていた。T君のにも。双方、口々に"何だコレ!"とか、"うわ……"とか言っていた。この塊見てみ!こんなん、より合わせて作ってもこんなにはならんで!
スープはスープで、澄んだという言葉とは程遠い。濃い茶色で、げんなりしたネギが申し訳程度に入っていた。
俺は悔いた。なぜ自分で作らなかったのか。麺はもうどうしようもないにしても、スープが酷すぎる。その後何をしていたかは忘れたが、作った人に任せるベキではなかった。どう思いこんなスープを構築したんだ!あの気色悪い物体を入れまくったのか!そうとしか考えられない。
味も、見た目と全く同じ。むしろここまでマッチした食べ物は他にないのではないだろうか。またまたT君と"まっじい!"とか連呼していた。M君はどこにいたか覚えていない。
"俺らの作ったのはこんな駄作では無いよな!!"
もはやお代わりを頼む気にすらならなかった。白いぐにょぐにょしたものと黒い汁を胃に流し込み、ケーキを黙々と食った。なんか物凄く残念だった。同じ材料を使ってあんな風にできるのか。
うどんを見ると、必ず思い出してしまう。
マッシュアップに興味がありまする。
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