血痕

　そう、夜にヒゲを剃りに行った時のコト。
　また剃るのがめんどくさかったから、できるだけ深剃りしようとがんばっていた。当然指に力が入る。


　と、ふいにT字カミソリが唇の下端に引っかかってしまった。そのまま降ろしてしまう。




　ザンッ……！


　ぎゃあああ！い、今のはヤバイ！血がいっぱいでる気がする！


　そんなモン気のせいにしてくれれば良かったのに、ドクドク血が流れる。まあそれは誇張表現か。

　ティッシュのところへダッシュ、傷口に当てると赤く染まっていく。
　ああ、もう寝たいのに……。


　もう眠たすぎて、拭くから次々出てくるんだ！との変な理論を勝手に作って実践する始末。

　放置プレイ…………

　口に赤い玉がぶら下がってる……。

　ボタ！

　ううっ！洗面台に事件性を感じる血痕が！これはエグい！

　さっさと流して血を拭き取る方針に戻したのは言うまでも無い。

　何枚も赤玉模様のティッシュを量産してると、ようやく玉の半径が小さくなってきた。これで寝れる。40分以上に及ぶ死闘だった。それにしても真夜中に一人でなにやってるんだろう。