瘡神さん

　かれこれ犬に噛まれてから2,3年が経つ。犬という名の犬がTOKIを襲ったのだ。アンチクショウめ。その時の後頭部のキズがまだ痛む。そのアンチクショウもそろそろ寿命の影に怯えながら、未だ犬小屋の中だ。因みに犬小屋は昔の風呂を逆さにして一辺に穴を開けたものだ。

　中々ヘヴィーにズキズキ痛んだので、その事を母に申告するとじゃあ瘡神さんへ行こう、と。神社なのだが、数年前に兄の手荒れをキレイさっぱりに治したり、色々功績も多い。そして煙を患部に当て、帰宅したのが昨日の2時。まあハッキリ言えば、神などこれっぽっちも信じちゃいない。いや信じたいといったところか。今まで、怪我とかが治る様をリアルタイムで見続けたオレだ。これは、

　あるチラシを持って勧誘に来た奴らがいた。そいつらはオレを、どっかの施設の並んでいるイスに座らせた。他に人はちらほらと見えるのみ。しばらくすると、リーダーらしき奴が壇上に現れた。そいつは何か講義をし、最後に空中浮遊を見せた。オレは後ろに居た勧誘者に、「へぇ……信じるだけで何でも出来るなんて凄いッスねぇ」と言うと、勧誘者は穏やかに微笑み、「あなたも出来るようになるかも知れませんよ？　さあ、これに記名して下さい」　オレは、「ハ……出来るわけ無いじゃないですか」と一笑に伏した

　時の心境に似ている気がする。とりあえず、治ったらもうけ、位のキモチで。