金槌でザクザク

　バイト中、代理が「一生のお願いだ」と言うからついていったら、ピンポンパール(金魚の一種)の死骸がプカプカ浮いてるバケツの前まで来た。……で？
「コイツらを裏まで行って埋めてやってくれ。かわいそうでしょ？」
　いや、まぁ、……いいですけど。。。今日の朝来たらいっぱい死んでたらしいよ。そこでスコップを一緒に探す。なかなか見つからない。
　と、ふと社員同士が使う無線を発見した。ただの無線なら気にも留めなかっただろう。しかしこの無線はどこかが違う。アンテナの部分に、親指と人差し指と小指を広げた小さい手の模型というか、ストラップみたいなものがささっているのだ。しかも本体にはキラキラしたハートのシールも張られている。そのセンスに関心していると、代理がふと「触ったらダメよ、バカがうつるけん」。
　あ、やっぱこれはあの人の仕業だったのか。発泡スチロール製の人の頭(真っ黒)の頭頂部にいっぱい爪の跡を付けて麦わら帽子をかぶせることを余儀なくさせたり、その顔の目の部分を余った紙とマジックで作ってあげたりしてたあの女性か。なんでこの職場には濃い人が集まるんだろう。

　で、渡されたのはなんと金槌。これで掘れと？まぁドライバーより良いか。。。
　これが意外とよく掘れる。店の裏で金槌でなんかいじってるこの状況、100万人が見たら1億3000万人はサボってると思うだろうな。ちゃんと埋めたら、その辺にあった木を刺し「金魚のおはか」と書いた紙を張った。イラスト付きなので見たかったら見に行けばいい。