父さんが残した熱い想い、母さんがくれたあのまなざし

　肉と辛いの組み合わせは最強だと思う。そうは思わないかい？

　晩御飯は鳥の唐揚げだったから、喜び勇んで激辛ハバネロ調味料をかけてた。右手箸、左手ハバネロで、食うとこだけかけてかぶりつく。あらかじめ全部にまぶすとタラコ唇になってしまうからだ。舌がひりひりなりながらも白米にがっつく。
　そして、ちょっと右目から涙が出てきたから"右手で"こすった。次の瞬間、


　バルス！

　目が、目があぁぁぁァぁ....

　みぎめは　ひのうみへと　いざなわれた　！


　目閉じてるとまぶたが熱い！開けると眼球が燃える！
　今なら……今なら星飛馬になれる気がするよ……！
　とめどない涙。捨てられていくティッシュ。見える景色は水彩画。

　半端ねぇ。マジパネェ。
　なぜ？右手は箸しか使ってなかったはずっ！なぜならっ！手を使うと指先が痛くなるからだっ！てかもしそうしてたらこんなの比じゃないくらいの痛みだったろう。
　うずくまって目から汗を流しながらも、ウソップのタバスコ星を思い出した。アレが目にかかっても相当痛いと思う。今ならその気持ちも分かってあげれる。


　その"右目カラムーチョ事件"から4時間以上経った今でも後遺症は根強く残る。二度とこんな事件が起こらないようにと祈るばかりだ。